日本でイスラム教の結婚契約(ニカー)をする方法について解説します。
結婚式は宗教によって違います
結婚式とは婚姻を成立させる儀式であり、宗教や文化によって様々なスタイルがあります。
日本で主流のスタイル
- 神道:神前式
- 仏教:仏前式
- キリスト教:教会式
- 無宗教:人前式(家族や親しい人たちに誓う)
- その他:ナシ婚(入籍手続きのみで結婚式を行わない)

日本はいろいろなスタイルがあるんだね!

イスラム教の結婚式はどういう感じ?

僕たちイスラム教徒の結婚式は、「ニカー」という結婚契約だよ。

契約なんだ?!
ニカー(結婚契約)の契約内容
イスラム教の結婚式は「ニカー」というものであり、意味は「イスラーム法に基づく結婚契約」です。
契約内容
- 結婚生活のすべてのルール
- マフルの金額や支払時期

イスラム教徒は今後の結婚生活の全てのルールを定めた契約を結ぶことによって、結婚が成立するんだ。

全てのルール?!
契約書もすごく分厚くなりそうだね。

全然分厚くないよ!
そもそもイスラム教では生活のすべてのルールがすでに決まっているんだ。
だから、それを引用して「シャリーア法(イスラム法)による」と一文書くだけで大丈夫なんだ。

そうなんだ…。
マフルって何?

マフルは、日本でいうと「結納金」みたいなものだよ。
マフル(結納金)の取り決め
マフルとは
挙式時に夫が妻に与えるか、将来(夫の死亡・離婚など)与えることを約束する財産

前払いが結納金、後払いが財産分与や慰謝料のようなものと解釈できるね。

ニカーの要ともされている大切な内容なんだ。
日本人とパキスタン人で金銭感覚が違うからなかなか大変だけど、しっかり話し合うことが大事だね。
ニカー(結婚契約)の流れ
- 場所:モスク
- 参加者:結婚する当事者、イマーム(イスラム教指導者)、イスラム教徒の証人2名
イマームがコーラン(イスラム教の聖書)の一節を読み、妻・夫・イマーム・立会人2名が署名することによって成立。

イスラム教への改宗の儀式、シャハーダと似ているところがあるね。


証人を立てるところなど共通点がいくつかあるもんね。
改宗も結婚も大切な儀式だから、似通ったところがあるのかもね!
結婚相手はイスラム教への改宗が必要

そもそも…。
ニカーはイスラム教徒の結婚契約儀式なんだ。
原則イスラム教徒の男性と結婚する場合は女性も宗教上決まりがあるんだよ。
イスラム教徒の男性と結婚するには女性は三大宗教(イスラム教・キリスト教・ユダヤ教)のいずれかを信仰している必要があります。

私たちの場合はJANが改宗したので、イスラム教徒のフサンとの結婚が可能でした!

シャハーダ(改宗の儀式)とニカー(結婚契約)は同日に行うこともできるよ。
書類発行に対応しているモスクが他県だったので、僕たちも同日に実施しました。
同じ「イスラム教徒」でも、考え方は本当に人それぞれです。
一般的には記事に書いたような志向や認識でいる方がほとんどですが、改宗していない女性と結婚したイスラム教徒の方もいらっしゃいます。

双方が納得して行った結婚ならどのような形でも素晴らしい結婚だと思っています!
改宗せずに結婚された方を批判する気は全くございませんので、悪しからず解釈いただけると幸いです。
ニカー(結婚契約)の事前準備
改宗(シャハーダ)も結婚契約(ニカー)も、行うだけならどこのモスクでも行えます。

私たちの場合、パキスタン側で結婚を有効にするために結婚契約(ニカー)を証明する書類が必要でした。

モスクによっては書類発行に対応していないところもあるので、事前に問い合わせをしました!

また、モスクによって必要書類や準備物も異なる場合があるのでしっかり確認することをお勧めします。
私たちが用意した提出書類
- 婚姻届受理証明書または婚姻を証明できる書類(住民票など)
- JANの戸籍謄本
- 二人のパスポート
- 夫の証明写真(縦4㎝横3㎝)2枚
- 妻の証明写真(縦4㎝横3㎝)3枚

私たちの場合は私の改宗の儀式(シャハーダ)も同時に行ったので、私の写真を1枚多く提出する必要がありました。
結婚契約書(ニカーナマ)
結婚契約(ニカー)が完了すると、以下の書類が発行されます。


この書類はパキスタン側でも婚姻を有効にするためにパキスタン大使館にも提出しました。


イスラム教徒にとってとても大切な結婚契約、ニカー。
私たちの結婚記念日は入籍日ではなく、ニカーをした日に設定しています!
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